それでは VIRL を使ってみましょう。今回はプロジェクト/トポロジーファイルの作成から、ルータ3台構成を動作させるまでを紹介します。
1. プロジェクト/トポロジーファイルの作成
今回は、プロジェクト名を “TestLab”、トポロジ名を “TestLab01” として作成します。
1) トポロジの作成
Projects Pane で右クリックから New -> Project を選びます。
wizard の選択が出てくるので、Topology -> Topology Project を選び、Next をクリック。
Project name に “TestLab” と入力し、Finish をクリック。
すると、左下の Project Pane に “TestLab” ができたのが確認できます。
2) トポロジーファイルの作成
Project Pane で作成した “TestLab” を右クリックして New -> Topology を選択します。
File name: に “TestLab01.virl” と入力し、Finish をクリック。
すると、TestLab プロジェクトの配下に “TestLab01.virl” が作成されたのが確認できます。
Topology Pane で “TestLab01.virl” タブを選択し、Topology 画面のどこでもいいので、クリックしてください。
クリックすることで、画面下部の Properties が有効化されます。
下記のように Validation Rules には “VIRL” を選び、Management Network は “Private project network” とします。
左側の AutoNetkit をクリックし、Enable CDP を “true” へ変更、また IP Address Family を “dual_stack” にします。他の項目は default のままとします。
OSPF(Area0) もデフォルトで有効になります。
2. シンプルな3台構成のトポロジーを作成する
ルータ3台をポイントツーポイントリンクで接続した三角形の簡単なトポロジーを作成してみます。シスコのページでは IOSv での構成ですが、せっかくなので IOSv/IOS-XRv/NX-OSv を1台ずつで構成してみます。
1) ルータの設置
Palette Pane から IOSv をクリックし、Topology の Canvas で配置したい場所でクリックしてルータを置きます。
※ドラッグアンドドロップではないので、注意してください。
下記のような配置になるように、IOSv と同じ方法で IOS-XRv 及び NX-OSv も設置してください。
2) ポイントツーポイントリンクで接続
Palette Pane で Connect ツールを選択します。
ルータの一つをクリックします。ここでは iosxrv-1 としています。するとリンクの線が表示されるので、接続したルータ上でクリックします。ここでは接続先ルータとして iosv-1 をクリックします。
すると、リンクが作成され、作成直後はインタフェース名もトポロジ上に表示されます。
同じ手順で、下記ように三角形になるように各ルータをポイントツーポイントリンクで接続してください。
3) AutoNetKit の設定
せっかくなので VIRL の自動設定 AutoNetKit を使ってみます。どれかのルータをクリックして、Properties の AutoNetkit タブをクリックします。
AutoNetKit を使う場合は一番上の “Auto-generate” の行にチェックが入っていることを確認してください。また、下記は設定の項目の簡単な説明です。
- General : ASN 番号を設定
- IGP : IGP のタイプ(ospf,isis,eigrp,rip-v2)やエリア番号を設定
- iBGP : ルートリフレクタやクラスターのパラメータ設定
- MPLS : VPN 及び MPLS-TE のパラメータ設定
この時点では Configuration タブを選択しても、設定内容は空です。この状態で Simulation を開始した場合は、空の設定でルータが起動することになります。
3. コンフィグ自動生成とビジュアル化
それでは AutoNetKit を使い、コンフィグの自動生成を行います。また、Visualizations 機能を使って、トポロジをビジュアル化しトポロジの構成や問題点などを見つけることができます。
1) コンフィグの自動生成
ツールバーの “Update Router Configurations” ボタンをクリックします。
コンフィグ変更のチェックをするか聞いてくるので、Yes をクリック。毎回確認したい人は “Remember my decision” にチェックを入れておきましょう。
すると、下記のような画面が表示されどのようなコンフィグになっているかを確認することができます。また、全てのルータが表示されます。内容を確認したら、OK をクリックしてください。
次に AutoNetkit Visualization を開くか聞かれるので、Yes をクリックします。こちらも毎回開きたい人は “Remember my decision” にチェックを入れておきましょう。
すると、ブラウザで下記のようにビジュアル化されたトポロジーが表示されます。
左上の “Overlay” をクリックすることで、各レイヤーまたはプロトコル別の表示に切り替えることができます。
下記は ibgp_v4 に変更してみた場合の出力例です。iBGP ピアを張っている状態が分かります。
再び、VM Maestro に戻り、どれかルータを選択し Properties Pane の Configuration タブを開くとコンフィグが表示されているのが確認できます。
4. 動作(Simulations)させてみる
ここまでで作成した3台構成のネットワークを動作させてみます。
下記再生ボタンのような Start ボタンを繰りくすることで Simulation が開始できます。
Simulation 画面に切り替わる旨のメッセージが出るので OK をクリックします。
次の画面もチェックを入れて、Yes で進みましょう。
右上の Simulations Pane のところでルータが [ACTIVE] となっていれば、稼働している(起動中の場合もあります)ことを示しています。
ルータを右クリックして Telnet -> to its Console port を選択すれば、コンソールが開きます。
※下記画面にもあるように Console Port (192.168.163.131:17000) とあるので、Putty や Teraterm などで telnet 192.168.163.131 ポート番号を 17000 にしてアクセスすることが可能です。
VM Maestro 上では右下の Console Pane に新しいタブができ、その中でコンソール操作ができます。
試しに Putty からログインしてログを取得してみます。下記のように指定をしてコンソールに Putty からログインできます。Putty でログインする前に VM Maestro 上のコンソール接続(上の Console Pane のタブ)を閉じておく必要があります。
下記のように Putty からコンソール接続ができます。
ルータを停止させるには下記 End simulation ボタンをクリックします。
Simulation の停止にあたって、下記を聞かれるので Yes/No を選択して OK を押す。
- Extract Configuration? : コンフィグを抽出するか
- Stop Simulation? : Simulation を停止するか
- Close Terminal? : ターミナルを閉じるか
以上が簡単な VIRL の使い方です。今後は少し複雑な構成を作る場合や、Surface Pro 3 での VIRL を使った場合の負荷具合、VIRL 0.9.17 での各ルータのバージョンなどを紹介したいと思います。