こんにちは。ccieojisanです。
本日 VIRL April release(virl.0.9.242) へのアップグレードが公開されました。今回のバージョンアップでは、下記のような点が大きな変更点です。
- IOSvL2 の追加 (IOS L2 feature の一部が使える仮想スイッチ)
- ASAv の追加
- パケットキャプチャ機能
- インタフェースダウン機能
上記機能の紹介は別途したいと思います。
今回はさっそくアップグレードしてみたので、その手順を書いてみます。
本家のページは下記になります。
目次
1.はじめに
現時点ではすでに VIRL VM を稼働させている人を対象にした In-place upgrade のみ可能で、OVA/ISO 等は後日用意されるそうです。
また、現在の VIRL v0.9.17 は 5/21/2015 でサポート終了のようです。
下記最新バージョンでの VIRL software component です。
Openstack Icehouse
VM Maestro 1.2.2 Build Dev-211
AutoNetkit 0.15.1/0.15.5
Live Network Collection Engine 0.3.6
VIRL STD 0.10.14.20
各仮想ルータのバージョンは下記になるようです。
NEW IOSv – 15.5(2)T image
NEW IOSvL2 – 15.2.411 DSGS image
IOSXRv – 5.3.0 CCO image
CSR1000v – 3.14 XE-based image
NEW NX-OSv 7.2.0 (ZD 120)
NEW ASA1000v 9.3.2
NEW Ubuntu 14.4.2 Cloud-init
“NEW” となっているものが、以前のバージョンから新しくなったもののようです。また、ASA1000v が追加されましたね。つい先日 VIRL で ASAv を使う記事を書いたばかりだったのに。笑
2. In-Place Upgrade
OVA や ISO などを使ってインストールを行い、すでに VIRL VM を動かしている人のためのアップグレード方法です。
2-1.バージョンの確認
まずは VIRL VM を起動して、VIRL VM の IPアドレス へアクセスしてください。例: http://192.168.163.131/
User Workspace Managementをクリックしてください。
ユーザ名 “uwmadmin” / パスワード “password” でログイン。
表示された右下にバージョン “0.10.13.11” が表示されます。
下記が今までリリースされたバージョンなので、自分のバージョンがどのバージョンが確認できます。
User Workspace Management 0.10.10.18 == Dec’14
User Workspace Management 0.10.13.11 == Feb’15
User Workspace Management 0.10.14.20 == Apr’15
2.2 アップグレードオプション Full or Quick
アップグレードは下記のどちらかが選べます。
- Full : VIRL 及び Linux システム(Ubuntu)をアップグレード ※推奨
- Quick : VIRL のみアップグレード
本記事では、推奨の Full で進めます。
2.3 Full アップグレード手順
まずは VIRL VM を起動させた状態で、SSH で VIRL VM へログインしてください。※必ずシミュレーションが動作していない状態になるよう、一旦 VM を落として、起動直後から始めてください。
次のコマンドを順番に実行します。
virl@virl:~$ sudo salt-call test.ping [INFO ] Executing command '/sbin/zfs help' in directory '/home/virl' local: True
irl@virl:~$ sudo sed -i 's/## Not currently available//' /etc/virl.ini
virl@virl:~$ sudo sed -i 's/l2: False/l2: True/g' /etc/virl.ini
virl@virl:~$ sudo sed -i '/vpagent/a asav: True' /etc/virl.ini
virl@virl:~$ sudo vinstall salt [INFO ] Executing command '/sbin/zfs help' in directory '/home/virl' [INFO ] Executing command '/sbin/zfs help' in directory '/home/virl' local: ---------- ank: 19401 ank_ver_fixed: False asav: True ceilometer: False cinder_enabled: False (snip) vmm_win64: True vnc: False vnc_password: letmein vpagent: True salt-minion stop/waiting salt-minion start/running, process 27208 virl@virl:~$
virl@virl:~$ sudo vinstall vinstall Please be patient file virl.vinstall is running local: ---------- ID: /usr/local/bin/vinstall Function: file.managed Result: True Comment: File /usr/local/bin/vinstall updated Started: 23:01:52.335661 Duration: 1009.569 ms Changes: ---------- diff: --- +++ @@ -5,23 +5,21 @@ """virl install. (snip) Changes: ---------- mode: 0755 Summary ------------ Succeeded: 6 (changed=5) Failed: 0 ------------ Total states run: 6 virl@virl:~$
ここまではスムーズですが、下記を実行後は 30-40 分程度待つ必要があります。(インターネットのダウンロード速度やPCにも依存します。)
実行中に画面に表示されるもので、ERROR と表示されるものがありますが、無視してください。
virl@virl:~$ sudo vinstall upgrade [INFO ] Executing command '/sbin/zfs help' in directory '/home/virl' [INFO ] Loading fresh modules for state activity [INFO ] Executing command '/sbin/zfs help' in directory '/home/virl' [INFO ] Fetching file from saltenv 'base', ** skipped ** latest already in cache 'salt://top.sls' [INFO ] Syncing modules for environment 'base' (snip) Changes: ---------- pid: 44925 retcode: 0 stderr: stdout: Summary ------------ Succeeded: 5 (changed=5) Failed: 0 ------------ Total states run: 5
再起動を行います。
virl@virl:~$ sudo reboot Broadcast message from virl@virl (/dev/pts/2) at 23:48 ... The system is going down for reboot NOW!
VIRL VM が起動してきたら、もう一度 SSH でログインをして下記を実行します。
virl@virl:~$ sudo vinstall bridge Please be patient file common.bridge is running local: ---------- ID: /lib/modules/3.13.0-49-generic/kernel/net/bridge/bridge.ko
そしてもう一度再起動します。
virl@virl:~$ sudo reboot Broadcast message from virl@virl (/dev/pts/2) at 23:54 ... The system is going down for reboot NOW!
2.4 VM image のインストール
VIRL VM が起動したら、VIRL VM の IP アドレスへブラウザでアクセスします。例 : http://192.168.163.131/
そして User Workspace Management をクリックします。
VIRL Software をクリックします。
Username / Password を聞かれたら、uwmadmin/password を入れて ログインします。次の画面が見えるまで少し時間がかかります。
画面が表示されたら、”Cisco VM image upgrades” という箇所で右側にチェックが入れられるものがあるので、全てチェックを入れて “Start installation” をクリック。ここでは選択したイメージをダウンロードしてくるため、インターネット環境によっては時間がかかります。
image のインストール完了したら、画面上部に下記のようにイメージインストールが成功した旨のメッセージが表示されます。
3. VM Maestro のアップグレード
VIRL をバージョンアップすると、VIRL を操作する VM Maestro もアップグレードをする必要があります。
下記のステップの前に現在インストールされている VM Maestro をアンインストールしておいてください。
VIRL VM の IPアドレスを使って、http://192.168.163.131/download にアクセスします。下記画面が表示されるので、64bit版のファイルをダウンロードします。※ご使用に環境によりダウンロードするファイルは異なります。
ダウンロードしたファイルを実行します。下記の手順でインストールを行ってください。
上記 Finish をすると、VM Maestro が起動します。subtypes のリストを下記手順で更新します。File->Preferences->Node Subtypes を選択し、下記画面になります。
Restore Defaults をクリックし、ポップアップで OK を押し、Apply を押します。
続いて Fetch from Server をクリック、ポップアップで OK を押し、Apply -> OK します。下記は Fetch from Server した後の画面ですが、ASAv など新しいものが追加されているのが分かります。
すると Design 画面の Nodes に ASAv 及び IOSvL2 が表示されています。
試しに IOSvL2 を設定して起動した後、バージョン情報を見てみました。
vios_l2 Software と表示されており、無事 IOSvL2 が起動できました。
iosvl2-1>show ver Cisco IOS Software, vios_l2 Software (vios_l2-ADVENTERPRISEK9-M), Version 15.2(CML_NIGHTLY_20150414)FLO_DSGS7, EARLY DEPLOYMENT DEVELOPMENT BUILD, synced to DSGS_PI5_POSTCOLLAPSE_TEAM_TRACK_CLONE Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport Copyright (c) 1986-2015 by Cisco Systems, Inc. Compiled Wed 15-Apr-15 00:42 by mmen ROM: Bootstrap program is IOSv iosvl2-1 uptime is 1 minute System returned to ROM by reload System image file is "flash0:/vios_l2-adventerprisek9-m" Last reload reason: Unknown reason
以上が VIRL 0.9.17 -> April release へのバージョンアップ手順となります。ちょっと手間はありますが、そこまで難しくはないですね。
今回のバージョンアップの目玉となっている IOSvL2 のネタなどはまた、今度書きたいと思います。